日本酒は使用する原料や精米歩合、また製法によって区分され、「特定名称酒」と「普通酒」に分類されます。
「特定名称酒」とは使用する原料や精米歩合などの条件を満たした日本酒の呼び名で、8種類に分けられます。日本酒の味や価値にランクを付けているものではありません。
特定名称酒以外の日本酒を「普通酒」といい、精米歩合70%以上の米を使用したものや、特定名称酒では使用できない原料を用いたもの、また醸造アルコールの使用量が10%を超えるものなどを指します。あくまで通称なので商品ラベルに「普通酒」と記載されていることはほとんどありません。
| 原材料 | |||
|---|---|---|---|
| 米・米麹 | 米・米麹+醸造アルコール | ||
| 精米歩合 | 50%以下 | 純米大吟醸酒 | 大吟醸酒 |
| 60%以下 | 純米吟醸酒 | 吟醸酒 | |
| 60%以下または特別な製造方法(製造方法はラベル等に記載) | 特別純米酒 | 特別本醸造酒 | |
| 70%以下 | 本醸造酒 | ||
| 純米酒 | |||
※精米歩合とは、玄米に対しての白米の重量。例えば、精米歩合 60%とは 40%を糠(ぬか)として削りとったもの
※以前は、純米酒と表示するためには精米歩合70%以下という要件があったが、2004年1月から、米と米麹のみを原料とした日本酒であれば「純米酒」と表示可能となった
日本酒は通常、水を加えてアルコール度数を調整。原酒は加水しないため18~20度前後あり、濃厚な旨味やコクを楽しめる。
※アルコール分1%未満の調整は認められている。
醪(もろみ)を搾った後の微細な粒子等を取り除くための「ろ過」工程を行わないもの。お米由来の風味や旨味がそのまま残りやすい。
醪を搾って、一度も火入れ(加熱処理)をしない、生まれたての日本酒。フレッシュな味わいが特徴。
※要冷蔵
搾りたての日本酒をそのまま低温で貯蔵し、出荷時に一度だけ火入れしたもの。
火入れをして貯蔵し、ほどよく熟して品質が安定した日本酒。熟した酒は火入れせずに瓶詰めをする。
※要冷蔵
醪の入った酒袋を吊るし、自然にしたたり落ちる雫(贅沢な部分)だけを集めたもの。「斗瓶取り(とびんどり)」等とも呼ばれる。
醪を粗い網あるいは布などで濾過した白濁した日本酒。生(発泡感のある)タイプと、酒質を安定化するために火入れしたタイプがある。
醪を搾るときに最初に流れ出る部分のお酒。少し白く濁り、フレッシュで勢いのある味わいが特徴。
中垂れ(なかだれ)、中汲み(なかくみ)とも言う。荒走りを取った後の醪に圧力をかけて搾ったお酒。透明感があり、雑味が少なく、香りと味のバランスが取れた味わいで、日本酒のなかでも、最も品質の良い部分とされる。
中取りを取った醪に、さらに圧力をかけて搾ったお酒。押し切りとも呼ばれる。雑味があって荒々しいが、そこが魅力と言う人も。アルコール度数が高く、濃厚な味わいが楽しめる。
冬から春に造って一度火入れし、夏の間熟成させた後、秋になって味が整ったところで火入れせずに出荷されるお酒。新酒の荒々しさが落ち着き、まろやかな味わい。
冬から春にかけて造られたお酒を秋まで貯蔵することで、旨みが増した状態のこと。ひやおろしは、秋あがりした生詰酒を指す。
古来から続く酒母造りの製法。乳酸菌に乳酸をつくらせ、雑菌の繁殖を防ぐため、時間と手間がかかる。米を溶けやすくするため、蒸米、米麹、水を櫂(かい)ですりつぶす「山卸(やまおろし)」という工程を行うのが特徴。
「山卸廃止酛」の略。明治時代に開発された生酛系酒母造りの製法。高度精米により米が溶けやすくなったため、生酛の工程から「山卸」を省いたもの。
乳酸菌の乳酸発酵により自然に乳酸をつくる生酛系酒母(生酛、山廃酛)に対し、人工的に乳酸を加えることで、酒母造りの期間を短縮した製法。現在では、ほとんどの日本酒が速醸系酒母で造られている。
一定期間貯蔵して熟成させた日本酒。熟成により味わいがまろやかになり、色や香り、味わいに独特の個性が生まれる。
仕込み水の代わりに一部日本酒を使って仕込んだお酒。甘みが強く、濃厚でコクのある味わいになることが多い。
杉の木などの木樽で貯蔵し、樽の木の清々しい香りをお酒に移した日本酒。
2、3年以上貯蔵したお酒。長期間経つと光沢のある黄金色で、味はまろやかになる傾向がある。
日本酒は、温めたり冷やしたりすることで、味や香りが多様に変化し、楽しみ方がさらに広がる、他のお酒にはない魅力を持っています。そして温度の違いでそれぞれに呼び名があるのも特徴です。違う温度で試して、好みの温度帯を見つけてみましょう。
香りは控えめで、キリッとシャープな口当たり。冷たさによって、お酒本来の繊細な味わいを感じにくいことも。
注いだ直後は香りがおだやかで、飲み進めるうちに少しずつ香りが開いて、広がる。繊細で上品な味わいを引き出す飲み方。
華やかな香りが広がり、お酒のまろやかさや、とろりとした口当たりも楽しめる。
香りや味わいがやさしく広がる。そのお酒本来の味を感じやすい。昔の日本家屋の土間くらいの温度。
熱さ、冷たさをほとんど感じない温度。お酒の香りがふんわりと広がり、なめらかな口当たり。
飲むと「ぬるめ」と感じる温度。米や麹のやさしい香りが引き立ち、すっきりとなめらかな味わい。
体温に近い心地よい温かさで、香りが最も豊かに広がり、味わいにもふくらみが生まれる。
香りがすっきりとまとまり、味わいにはやわらかさとキレが表れる。
香りが引き締まり、後味がすっきりとしたシャープな辛口の印象。
香りがより力強くなり、味わいも、よりキレのある辛口に。
日本酒の味わいや香りの特徴を「香りの高低」と「味わいの若々しさ・濃厚さ」という2つの軸で整理することで、大きく4つのタイプに分類できます。
| 成分等 | 味わいとの関係 |
|---|---|
| 日本酒度 | 日本酒の甘口・辛口の目安となる数値で、お酒の比重をもとに測定される。一般的に「-」は甘口、「+」は辛口を表す。ただし、アルコール度数や酸度なども味わいに影響するため、日本酒度だけで甘口・辛口を判断できるわけではなく、あくまで参考とする数値である。 |
| 酸度 | 日本酒に含まれる乳酸・コハク酸・リンゴ酸などの酸の量を表す数値。酸は日本酒の味わいを左右する大切な成分で、コクやキレ、甘辛の感じ方にも影響する。一般的に、酸度が高いほど味わいが濃く感じられ、辛口に感じやすくなる。 |
| アミノ酸度 | 日本酒の旨味やコクのもととなるアミノ酸の量を表す数値。適度にあると豊かな旨味を楽しめるが、多すぎると雑味が強く感じられることがあるため、他の酸とのバランスが取れていることが大切。 |
| 酵母 | 酵母は、米のでんぷんが糖化してできたブドウ糖を発酵させ、アルコールをつくる働きをする微生物。どの酵母を使うかによって、お酒の香りや華やかさ、味わいの特徴が大きく変わる。 |
水は、アルコールより重く、糖より軽いため、日本酒に含まれる糖が多くなるほど、比重(水と比較した日本酒の重さ)は高くなることを利用して測定。
淡い黄色で、つやがあり、透明感のある輝きがある。
熟成によって黄色みが増した色合いで、つやがある。
白く濁っていて、透明感が少ない。
吟醸酒にみられる、果実を思わせる華やかな香り。
搾ったばかりの新酒に感じられる、若々しくフレッシュな香り。
熟成によって生まれる、ナッツやカラメルのような香り。
木製の樽で貯蔵することで生じる、木の香り。
日本酒を口に含む前に、器から立ち上ってくる香り。
口に含んだときに口から鼻に抜ける香り。
上立ち香が豊かで、明るく華やかな印象の香り。
上立ち香が穏やかで、品のよい印象を与える香り。
りんごやメロン、バナナのような甘いフルーツを思わせる香り。
米や穀物を思わせる、豊かでやさしい香り。
角がなく、口当たりがやわらか。
コクがあり、厚みがある味わい。
雑味がなく、澄んだ印象の味わい。
味わいに深みがあり、味わいの余韻が続く。
後味がすっきりとして、味がスッと消えていく。
喉をさらっと通るような、すっきりとした味わい。
飲んだ後の余韻が軽やかで、心地よく消えていく。
味わいにふくらみがあり、しっかりと余韻が残る。